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Life is bitter

日常生活で考えたことやデザイン・写真・インテリアをはじめとした役に立ちそうな知識をまとめて記しています。

新卒デザイナー職の就職活動戦略

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もうすぐ5月を迎え、18卒の就職活動は中盤戦に入りました。
面接解禁は6月からなどと言われていますが大体の企業は面談だのインタビューだの名前を変えただけで実質的に面接をどんどん行っているのが現状です。

私も現在修士2年で絶賛就職活動中なのですが、デザイナー職に関しては一般職と比べるとやや特殊です。ポートフォリオをきれいにまとめて自分の能力をアピールするものが必要ですし、暗黙のルールとして内定を獲得するにはインターン参加が必須であったり...。

今回は私や周囲の友人が就職活動を通じて行った業界研究の結果や、様々な企業のデザイナー職選考の経験から得た採用担当者が新卒デザイナーに求めていることをまとめてみました。

企業形態から見るデザイナー職

一口にデザイナー職といってもWEBデザイナーやプロダクトデザイナー、グラフィックデザイナーなど様々な種類があります。また、WEBデザイナーひとつをとっても制作会社なのかインハウスなのかなどでまた区分できますので、今回は企業形態に着目して新卒デザイナー職というものを見ていきます。

企業形態から見た場合、新卒デザイナー職として向かう先は大まかに以下の5種類に分類できます。

  • メーカー
  • 業界別事業会社
  • ITベンチャー全般
  • 制作会社・事務所
  • デザインファーム

ひとつずつ詳しく解説していきます。

メーカー 

SONY、Panasonic、富士通などをはじめとする電気機器、トヨタ、ホンダ、日産などの自動車...etc、あげてきけばキリがないのですが、プロダクトデザイナーやカーデザイナーはこのメーカーというくくりで見ることができます。その他にあげるとすると食品系でのパッケージデザイナーでしょうか。

採用担当者が見ていること

メーカー系のデザイナー職の選考において採用担当者がチェックしていることは、ひとつのプロダクトに関してコンセプト立案から一貫した提案ができているか、そしてどういった過程でその機能・形状に至ったかについてです。

故に、ポートフォリオに関してもアイデアスケッチやその提案の背景にあるコンセプトや問題をしっかり説明した内容にする必要があります。

また、インターンに参加して採用担当者から直々にオファーが来るパターンがほとんどであることが特徴です。

企業によってコンセプトに重きを置くのか、スタイリングに関する能力に重きを置くのかは異なるのでリサーチが必要です。

業界別事業会社

電通、博報堂、ADKなどの広告業界、乃村工藝社、丹青社などのディスプレイ業界、DNP、凸版印刷などの印刷業界などなど業界別で分けることができる事業会社たち。広告業界だとアートディレクター、ディスプレイ業界だと空間デザイナー、印刷業界だとグラフィックデザイナーおよびアートディレクターもしくはプリンティングディレクター、と業界ごとにどんなデザイナーになるか細かく分かれます。

また、業界ごとに採用に関する慣習が異なるのでどの業界を目指すかによって情報の集め方も異なってきます。

採用担当者が見ていること

業界によりけりとしか言いようがないのですが、共通して言えることはその業界に関する突出したクリエティブを生み出すことができるかが鍵となってきます。特に広告業界なんかはクリエイティブの質の高さは当然としてコンセプトのセンスの良さが必要であったり...。

採用に関して近道を知りたい場合は、自分の専門学校・大学・大学院のOB・OGと接触してどんな特色があり何を重視しているか聞くのがもっとも早いかもしれません。

ITベンチャー全般

Google、ヤフー、楽天、リクルートホールディングス、DeNA、サイバーエージェントなどの主にWEBでサービスを展開するITベンチャー全般。職種としてはWEBデザイナー、UIデザイナー、UXデザイナー、テクニカルクリエイターなどが挙げられます。

他のデザイナー職種と違ってWEB領域をメインに扱っているので、コーディングスキルやマーケティングスキルがある程度求められます。また、技術やデザイントレンドをキャッチアップし続けることも求められます。

ITベンチャー全般は積極的にインターンを行っており、インターンで優秀だった人を囲い込んで刈り取るスタイルが主流です。進路として考えている人はまずインターンへ参加することが重要です。

採用担当者が見ていること

WEBやUIに関する幅広い知識とリサーチ能力が求められます。
特に昨今UX領域のデザイン手法が現場で主流となってきたため、定量・定性情報の分析方法やユーザーリサーチ手法に関しては知識を入れた上でそれを実践することが望ましいと言えます。

ポートフォリオに関してもただきれいなUIを載せるだけでなく、過程やユーザビリティ、ユーザーテストのフィードバックなどを盛り込むと良いでしょう。

制作会社・事務所

コンセントやTHE GUILDなどをはじめとする制作会社やデザイン事務所。ITベンチャーとも言えなくもないところが多いのですが規模を考えてわけました。職種としてはWEBデザイナーやグラフィックデザイナー(主にDTP)、映像クリエイター、UIデザイナーあたりでしょうか。

代理店やデザイン部を持たない事業会社から依頼を受けて様々なクリエイティブを作ります。業界や分野にとらわれず多様なコンテンツを扱えますが、それ故インハウスデザイナーと比べてデザインの引き出しの多さとクリエイティブの質の高さが求められるのが特徴です。

採用担当者が見ていること

クリエイティブの質の高さが重視される傾向にあります。上で挙げたコンセントやTHE GUILDなど、会社によってはUX領域もカバーできる人材であるかが見られますが、基本的には感性価値の大きなクリエイティブ(いわゆる見た目のセンスがいいもの)が作れるかが大きなウェイトを占めます。

デザインファーム

nendo、Takram、DONGURIなどのデザインファーム。職種は多岐にわたり、プロダクトデザイナーから空間デザイナー、グラフィックデザイナーなどありますがどの領域であっても求められるスキルが軒並み高いことが特徴。

また、Takramがデザインだけでなくエンジニアリングにも力を入れているように各デザインファームで扱う領域や特色が異なります。

採用担当者が見ていること

デザインファームに関しては新卒採用を行っていません。ほとんどがインターンやアルバイトからコミットし、その能力が認められて初めて正社員として雇用してもらうパターンです。また、インターンにおいても社員同等の能力を求められるため相応の意欲と能力が必要です。

最後に

企業形態によってどんな職種であるか、そして求められることは異なってきます。また、就職活動に際してはポートフォリオが必須となりますが、このポートフォリオはそれまでどんなクリエイティブを手がけてきたかの数年分の蓄積です。故に「プロダクトばかり作ってきたのにやっぱりIT系行きたい!」「空間デザインしか作品ないけど広告業界行きたいなあ」などということは現実問題難しく、専門学校や大学入学当時から戦略的にモノづくりをしていく必要があるということです。

自分は何を目指すのか、そしてどういったキャリアを進むのかをしっかり考えた上で戦略的にスキルを伸ばす必要があるデザイナー職。営業職などと違って全く違う分野や領域に転身することはなかなか難しく、新卒という最初のステップでその後のキャリアは随分変わってきます。19卒以降のデザイナー職志望の参考になれば幸いです。