Life is bitter

日常生活で考えたことやデザイン・写真・インテリアをはじめとした役に立ちそうな知識をまとめて記しています。

デザインが持つ2つの機能 〜問題解決と価値創造〜

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デザインとは何ぞや。

めまぐるしく世の中が変わっていく現在、デザイナーにとっては非常に難しい問いである「デザイン」の意味。デザインという道を選んで5年目の私ですが、最近になってようやくこの問いに対して自分なりの答えが見えてきました。

デザインが持つ2つの機能

思うに、私はデザインには大きくわけて2つの機能があると考えます。

それは、ある製品やサービスをはじめ及ぶところ文化が持つ課題や問題をデザインを通じて解決していく「問題解決」と人間の感情に訴えかけ感性価値を高める「価値創造」の2つ。

実は、ちょっと前まではデザインは問題解決のための手段、と「問題解決」だけにアプローチできるものだと思っていたのですが、それは違うなと近年のプロダクトデザインの潮流を見て感じています。

問題解決としてのデザイン

一般的にプロダクトデザインやサービスデザインの面から見ると、デザインとは問題解決としての手段と捉えられるかなと思います。この掃除機の吸引効率を高めるためにこんな造形にしました、このサービスの集客力と定着率向上のためにこんな仕組みを取り入れて、それに伴いWEBやアプリのUIをこう変えました、身体が不自由な方にとってはここが非常に使いづらいから改善してこのような形にしました、などなど挙げればキリがないのですが、抱える問題を解決するためにデザインという手段を用いているのが問題解決としてのデザインです。

そして、問題解決としてのデザインではいわゆる見た目・造形を考えるだけでなく、プロダクトの場合はエンジニアリングの知識が必要ですし、サービスならば抜本的にフローやシステムを考えられる能力は必須となります。プログラミングの能力も必要かもしれません。また、逆にこういった能力があれば誰でも「問題解決としてのデザイン」はできてしまうのです。ちょっと見た目が悪くても画期的な機能や使いやすさがあればそれはひとつの立派なデザインなのです。

「デザイン」というとセンスのある一部の人間にしかできないことなんて言われることがありますが、問題解決としてのデザインという観点ではそれは間違いです。昔、ワイドショーで専業主婦の方が家事を楽にする便利グッズを開発して大儲け(失礼ながらプロダクトとしての美しさはなかった)、なんてニュースをみたことありますが、これも問題解決をしている立派な「デザイン」。このように非常に裾野が広いのが問題解決としてのデザインです。

価値創造としてのデザイン

一方で「価値創造としてのデザイン」とは何でしょうか?

デザインを通じて問題を解決するという行為自体が既に価値を持っており、つまるところ価値創造もしているじゃないかと考えられますが、私がここで言いたいのはそういったことではありません。

まずは以下のToKyo Midtown Design Awardの受賞作品を見ていただきたいです。

Tokyo Midtown Award 2015 デザインコンペ
http://www.tokyo-midtown.com/jp/award/result/2015/design.html

2015年のテーマは「おもてなし」でして、日本の「おもてなし」という概念をフィルターとして通してユニークなデザインを提案してくださいというコンペです。

そして、準グランプリの「浮世絵ぷちぷち」、その他受賞した「落雁ポーション」「日本古紋様写飾紙」「縦書きレシート」など、こちらは問題解決としてのデザインでしょうか?

こうした文化やコンテクストを汲んだ上で純粋に感性に訴えかけるデザインを私は「価値創造」としてのデザインと考えています。ひと目見て何だかこれ良いな、そんな風に思わせるものはこちらに分類されるのではないかと思います。グラフィックデザインなんかは大体こちらが多いのかな。

2つの機能を併せ持ったデザイン

デザイナーとして、問題解決をしていくのか価値創造をしていくのかは自分の力量や興味のあることとの兼ね合いですが、この問題解決と価値創造を併せ持ったデザインもあると考えます。

具体的にはブランディング

商店や企業が抱える問題(認知されていない、売上が厳しい等)に対して感性価値をもってして問題解決していくのがブランディング。大枠では問題解決の方に分類されるのでしょうが、価値創造が解決の有効な一手として圧倒的なのでこれは別物だと考えています。

具体的には、

こうした企業がやっていることですね。実例を見ると参考になります。

デザインが生む感性価値で問題解決をしていくという手法は近年いろいろな場面で見られます。私としてはこれこそクリエィティブの真髄という感じです。

最後に

デザインとは「問題解決」と「価値創造」の2つの機能を持った手段である。それが現在の私にとってのデザインへの答えです。きっとこれが5年10年と経っていくと考えが変わるのでしょうが、それはそれで楽しみだなあ。